『私と彼女の7ヶ月-2 ゆっくりと、一歩ずつ』の続きです。
「私の作るものは価値がない」
そういう思い込みを解除して
自分の言葉で語り、自分を思いを表現していくことを選んだ渡辺さん
この1年のやりとりを振り返り、私自身の備忘録としても記しておこうと思います。
私と彼女の7ヶ月。 その3
表現する楽しさを思い出す
==============
1. 見えてきた変化の兆し
2. 抱えている思い込みを手放す
3.一枚のビジュアルができること
4.私からあなたへお伝えすること
==============
||見えてきた変化の兆し
セッションを重ねるうちに、徐々に渡辺さんに変化の兆しが見えてきました。
知らず知らずに封印していた「表現する楽しさ」を、思い出してきたのです。
不安よりもわくわくした気持が上回ってきた頃合いでこんな宿題を出しました。
“セッションで引き出されたキーワードをもとに何か作って来て。”
アーティスト気質のある彼女の本質を、耕していくように。他の人には出さないような、ちょっと変わった宿題です。そのひとつは、ヨガのポーズで好きなものを5つ選んで、イラストを描いてきて、というもの。
...これが、とってもかわいくて。
打てば響くように、魅力的なアウトプットが返ってきました。
今ではちょいちょい、インスタに投稿されるようになっています。
ここにきて一気に大量に出すだけ出してたものが、重なり始めてる。それを少し笑いながら見ていた自分がいる。
興味がある事、好きなこと、やりたいこと、、なんだかんだ一貫性があって昔からソレはブレてなかったんだなあと実感。 昔は誰かと比較してしまい、作品を作っても素敵なものがあるから自分は作る必要性を感じないと思っていたが、久しぶりに手を動かしてみると「楽しい」が先に見えてきた。
(4回目セッションご感想)
出来上がったものは自分ができる最大限の好きだから、そりゃ、嫌いにはなれないなあとこれもまた笑って見てた。
語彙力が足りなくてもどかしい気持ちもあり、お芝居を作るときの言葉を正しい意味を知ったうえで「どう表現するか」が、いまは楽しい。
わたしは表現者になりたいんだな。と自覚した日。
(5回目セッションご感想)
作ることは楽しい。 ひとめを気にして作っては比較して悲しくなり、いつからか何も作らなくなった。 作らなければ批判もないし、悲しむ必要もないから。やめたことでわたしがどこかに行ってしまった。 世間一般と言われているナニカになってしまい、自分という存在が薄れてきている感覚。
わたしを取り戻した方法がヨガであり、ヨガの哲学であり、方法を知った事に感謝の気持ちを持つ。 だからヨガで表現することはしっくりこないが、ヨガで小さな表現者を創る、が1番近い。
今でこそ、instagramを中心とした発信をさらりと重ねていらっしゃる渡辺さんですが
最初から、するすると楽しくハッピーに!…みたいな発信とは真逆でした。
少しずつ少しずつ 自分を観察して、緊張をほどいてきたのです。
プログラムを始めた当初は、こうおっしゃっていました。
instagramに投稿するのが怖い
今のように発信することが「普通」の状態になったのは、ひとえに
自分の過去や弱さと、向き合う過程を乗り越えてきたからです。そして、もうひとつは...
||抱えている思い込みを手放す
いちばん大きかったことは「思い込み」を手放したことです。信念とか、ビリーフなどと専門用語で言ったりします。マインドブロックとも、いいますね。
私たちはみんな、目の前に起こることの意味を、自分が無意識にこしらえたものさしで解釈しています。
何を信じているか?
で、目の前のできごとの意味は変わっていきます。ここを変えずに、やみくもに行動を重ねることは、あまり意味がないのです。
渡辺さんが、これまでの経験のなかで自分がつくったものさしは
「私の作るものは価値がない」
でした。無意識に作ってしまうものなのでご本人は無自覚です。
おそらくいちばん根源的な思い込み。
お伝えするタイミングを、慎重にはかりました。
夏の終わりの日暮れどき。私がその一文をお伝えしたのは、世界観デザイン最終セッションの日でした。
「もしかしたら、こういう風に思ってる自分は、いませんか?」
私から発せられた一文を聞いたあと、数秒。動きが止まり、大粒の涙がこぼれました。言葉は、ありませんでした。
子どもみたいなその顔を、私は黙って見届けてたのです。
一定の距離を保つことを、忘れずに。
決めた物に対してとても魅力的に見えるはずなのに 、どうしてこんなにも表に出すことが怖いんだろうと、ずっとずっともやもやしていて。
(最終セッションのご感想)
どんなことをしたって好きでいてくれる人は周りにいるのになぜ信じられないんだろう、傷つきたくないんだろう。 近ければ近い人ほど、ダメージが強いんだからそりゃ見せたくないよな。と納得したり。
少なくとも、ちょっとした変化でも気が付いて声をかけてくれる人がいるんだから、その人を大事にしたい。 「マミ先生だからヨガを続けてるんですよ」。って、言ってくれる人がいる事実を真摯に受け止めて、 不安ながらも、次のステップに進みたいと思います。 ありがとうございます。
もっと早く伝えることもできましたが、私の中に留めていました。受け取る準備が、必要なので。
この日でなければ、受け止められなかっただろうとも思います。
ゴールまで、一足飛びに、駆け足で行けることが全ての人にとって良いわけではなくて...
人にはそれぞれの、ペースがある。
最終セッションでいちばん大切なことに気づいていただいたことで、渡辺さんは表現のトビラに手をかけることができました。重く封印したそのトビラを、自分で開ける決断をしたんです。
それが、写真の撮影でした。
頭の中を見えやすく形にするということ。撮影するって決めてからも、不安を感じながら過ごされていたようです。
自分の頭の中を、思い描いていることを、さらけ出すって
…怖いですよね。
そんなことないでしょうか。
私は、怖かったんです。
そういう時。
だから、ビジュアルの力を借りたんでした。言葉と同じように ビジュアルには、自分を動かす力があるから。
"私の作るものは価値がない、と
ずっと言えなかった
認めることは怖かった"
彼女は後日
そう、打ち明けてくれました。
他の誰がわからなくても、自分が自分の本心を分かっている。それは、心強い。
なによりもこんなにも心強いものなんだって、経験した人だけが、わかるものなのですよね。
ゆっくりと、ゆっくりと。
自分の世界を耕し、彼女は世界の見方を変えられる、と信じ始めました。それがどれだけの変化なのかは、当人だけがわかること。
私は、彼女の歩んだ時間の証人ですので、彼女の勇気を讃えたかったです。
だから、「見える形」にするお手伝いをしました。
"ほら、どう見ても素敵じゃない?!
あなたの世界は素敵だと、私が証明してあげる”
私が写真撮影を通して伝えたかったことです。
100の言葉を贈るよりも
見れば、ひと目で、わかるから。
||一枚のビジュアルができること
1枚のビジュアルが
1行のコピーが
自分を変えてしまうことだってあるかもしれない。
そう聞いて、どう思われるでしょうか。
...そんなことあるわけない?
たかが画像1枚や
たかがひと言で?
…いいえ。
変えること、あるんです。
現に私は、自分の作品コンセプトが降ってきたことで、一瞬で怖さは吹き飛んだし
渡辺さんは、これらの写真を手に、自分の言葉で自分の思いを語るようになりました。真剣に 自分に向き合い、前に進もうと決めたからです。何度も自分の弱さと対峙して、その度に乗り越えてきました。
自分の作るものなんて、って思っていたけど、写真という、客観視できるものになった時はじめて
自分のこと、信じていいかもしれない、って思ってくれたのだと思います。
この場を借りて、お伝えさせていただきます。
マミさんへ
私は、以前も今も、マミさんのレッスンが大好きです。
マミさんの正直さも大好きです。
ここまで歩いて拓いてきたこと、とっても誇らしく思っています。これからもマミさんらしく、楽しく発信していって下さい。
ほんとうに、
がんばったねーーー!!!!!!
花丸!!!!!
||私からあなたへお伝えすること
久々にこんなに長い文章を書きました。最後まで読んで下さってありがとうございます。
どんなに腕のいいカメラマンに頼んでも
アレンジャーにうまくプロデュースしてもらっても
本人の熱がこもっていないものには、人を動かす力は伴いません。
心から納得してるから、自分の心がきゅっとして揺さぶられるし
だからこそ、他者の心も揺さぶられるんですよね。
自分らしく生きよう、と思ったら誰しも、心の奥底にしまった痛みと向き合わなければいけいない時が、いずれ来ます。
そういう時に、思い出して欲しいのは
自分の弱さを認める勇気を持つこと
ゴールまで一気に駆け上がるだけが、正解とは限らないこと
です。
自分に適したタイミングやペースを、見誤らないでほしいです。(それを言い訳にしたり、逃げ道にはしないで下さい。)
そして、繰り返しになるし、しつこいですが
何度でもお伝えします。
やみくもに見た目をよくしようとか、なんとなく何かを見える形にこしらえるんじゃなくて
表現したいこと
伝えたいことは、なんですか?
30Wで表せる、あなたの世界観のコンセプト。
それを考え続けて下さい。
そして、最後にひと言。これだけは絶対伝えたいのですが
ビジュアルの舵取りは、理論だけではこなせない部分がどうしたって大きく、誰にでもできることじゃありません。一瞬で適切な色や画角・構図をキャッチできる適任な人材を、頼って下さい。あなたのお気持を汲んだ上で、感性を発揮できるひとを。
誰もいなければ、私を。
どこかで聞いたような、「耳障りのいい」うたい文句じゃなくて。あなたにも、あなたの言葉を見つけてほしいです。そこからのお手伝いができたら、とても嬉しく思います。
あなたがあなたの言葉で語り
歩き続けていくことを
ここから、応援しています。
私と彼女の7ヶ月。
クライアントさんが自分の言葉で語り、歩き始めるまでのお話でした。
(おわり)
ワタナベマミ公式ホームページ toiyoga
toiyoga instagram
『私と彼女の7ヶ月-1 〜一枚の画(え)を作るために、私たちがやったこと〜』
『私と彼女の7ヶ月-2 〜ゆっくりと、一歩ずつ〜』
こちらの記事もどうぞ
『私と彼女の7ヶ月 番外編〜がっつり丸一日!撮影ウラ話〜』
。。。。。。
◆こちらの記事もどうぞ
▪︎酒見さまイメージ写真撮影プロデュース事例
▪︎イメージ写真とプロフィール写真は違う。その理由、見せます。
▪︎フォトセッションを体験しました〜世界観の撮影をセルフプロデュース〜
▪︎世界観を作ったその後。〜ご継続サポートプログラムのご感想〜
◆無料メール講座
『1秒で世界観を伝える名刺作り・5つのセオリー』
◆詳しいいきさつはこちら。
私が世界観づくりを始めた理由:
エピソードゼロ