何かを発信するのが怖い
人に間違いを指摘されるのが怖い
誤解されて伝わらないから
人の言葉を使うのは責任逃れしたいだけなんだ。それがずっと苦しい。
こんにちは。
世界観デザイナーの遠藤朝恵です。
今日はとあるクライアントさんの事例のご紹介です。キービジュアル制作と、心のことについてお話しします。
日々、セッションしたり
デザインしたり、
場を作ったりしていますが
それらのどれも目的は、ビジュアルによって見た人の心揺さぶり、「次」の行動を喚起するためです。
私自身の作品に限ったことだったら、「わぁ〜、きれい」「素敵ねー」で、終わっても良いのですが、お仕事で引き受けるコンサルや制作に関しては、違います。
「次につなげること」
これを目的としています。
ビジュアルを仕掛けることで、行動動線はデザインできるからです。
そしてそれは、受取手であるエンドユーザー(私のクライアントさんのお客様)に対して限ったことではなくて
私のクライアントとなる発信者側に立つひとにも、言えることなのです。
ビジュアルを整えてあげることで、自信がつく。言葉に力が入る。前に進めるようになる。そういうケースは、多いです。
ビジュアルを通してクライアントさんが自分の力で歩き出していく。
それが、私の最終的な目的です。
あるクライアントさんとのやりとりは正に、このことを裏付けるエピソードでしたので、私たちふたりの時間を整理するために、記しておこうと思います。
クライアントさんは、ヨガインストラクターの渡辺真美さん。世界観デザインの個別コンサルティング(6ヶ月)を経てのイメージ写真撮影、キービジュアルの制作。そしてご継続サポートで商品設計と発信のサポートまで、トータルで約1年間関わらせて頂きました。
10000字と長くなったので、何本かに分けますね。
私と彼女の7ヶ月-その1
1枚の画像を作るために、私たちがやったこと
==============
1.印象的なビジュアルは、仕込みが全て
2.自分のやりたいことを、やる。それだけのために。
3.自分だけのスタイルってなんだろう?
3.一枚の画像を作るために、私と彼女がやったこと
==============
||印象的なビジュアルは、仕込みが全て
人の心を揺さぶるモノ・コト、印象的なビジュアルは仕込みが全てです。世界観を伝えるキービジュアルを作るために、私たちは半年という時間を費やしました。
渡辺さんが1年間で取り組んだことは
・世界観づくりとコンセプトの名言化
・イメージ写真撮影とキービジュアル制作
・ホームページへとinstagramを整える
・本命商品の設計
・本命商品のリリース、モニターさん獲得
です。
とっても普通の流れですね。
でも、ここまで来ることは、ご本人にとってはとても大変なことだったんです。自分を出すことに怖がりな方でしたし、セールスに対するネガティブイメージも強くお持ちでしたので。
紆余曲折を経て先日、晴れて真善美(しんぜんび)レッスンというオリジナルプログラムをリリースされました。ずっと、心の奥底で「やってみたい」と思われていたレッスン。現在は順調にモニターさんを増やされています。
今では、instagramへの投稿やオリジナルプログラムの募集も、ごく自然にできるようになりましたが、そうなれたことこそ、彼女が遂げた成果でした。
私も、普通に発信を重ねている姿を見るたびに、「ほんとによく、逃げずにがんばったよ!!」と声をかけたくなります。
慣れたからできるようになったといえばそれまでですが...
彼女が逃げずに、乗り越えてきたこと
讃えたくて
この記事に書きました。大切なことがありすぎて、つらつらと書いていたら1万字を越えてしまいました。もしよかったら、おつきあい下さい。
渡辺さんが通過した経緯は、ざっくり言うとふたつ。
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・自分の世界観を表す写真で
キービジュアルを作ったこと
・深層心理に抱えている
思い込みに気づき、手放したこと
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です。
長い間、渡辺さんは、自分の世界を外に向けて表現することに怖れを感じていました。
とても大切なことなので、ご本人の許可を頂き公開させて頂きます。渡辺さんは、どちらかというと、自分を出していくことに対して消極的な方でした。
原因は、心の深いところで、無意識にこんな風に思っていたからです。
「私の作るものは価値がない」
そんな思いを抱えていながら、どのようにオリジナルプログラムをリリースするまで、行き着けたのか?順を追ってお話しますね。
||自分のやりたいことを、やる。
それだけのために
自分のやりたいことを、やる。
それだけのことなのに、なぜこうも私たちは戸惑ったり、自分に引き戻されたり、心が忙しいんでしょう。
渡辺さんも、同じくでした。
というか、他の方よりも、自分を出すことへの抵抗感が強かったのです。だからこそビジュアルの力を、活用したかったのだと思います。
私とのやりとりの入り口は、撮影でした。
「撮影をお願いしたいんです。」
渡辺さんからお声がけをいただいたのは、春も終わりかけの頃でした。単に1、2枚プロフィールに使える写真が欲しいのではなく、ホームページやinstagramなどで、全体の雰囲気を伝える写真が欲しい。1種類ではなく、さまざまな写真が欲しい。
とのこと。
ご要望を受けて私たちの濃密なやりとりは始まります。
「“いきなり撮影” は失敗のもとです。世界観のデザインをしっかりしてから撮影に入りませんか」とお返事しました。
写真の力を最大限に活かすためには、やらなきゃいけないことがあります。カメラマンまかせでは、だめなのです。
『自分の世界観を設計し、ひと言で表せるようになる』
まずは、ここからがスタートです。
||自分のスタイルってなんだろう?
渡辺さんのヨガレッスンは独特なスタイルがあります。
オラクルカードと呼ばれる、タロットのようなカードを1枚、引きます。引きたい人だけ。押しつけは一切ありません。
そうしてレッスン冒頭には、ちょっとしたお話が展開されるのですが、毎回テーマになるのは
何をしてもいいよ。
私のガイドに従ってもいいし、従わなくてもいい。
自分の感覚に身を委ねよう
ということです。
「自分は今、どうしたいか?その感覚をただ観察しよう。
答えが見つかっても、見つからなくても どっちでもいいです。」
落ち着きのある声の語り口を座って聞いているだけで、呼吸が深まるのを感じます。静寂の中に入っていくよう。答えを見つけるのが目的ではなく、ただただ、問いを抱きしめたまま時間の中に漂うような
そんなヨガ。
いえ、ヨガというよりも…
動く瞑想です。
彼女の提供するものはヨガなのですが、一般的なヨガのイメージとは少し違っていて。スタイルアップのための「フィットネス」としてのヨガではなくではなく...ヨガの技術向上を追い求めるものでもなく...
執着を手放しニュートラルな自分でいるための練習の場。
ヨガはそのための、ひとつのツール。
本当に提供したいのはヨガに限っておらず、「〜ねばならない」に対する執着を手放す『問いと浮遊する時間』だったのです。
世界観デザインの個別セッションを重ねながらの発見でした。
冒頭の言葉は、世界観デザイン個別プログラム1回目のセッションのご感想でした。その約7ヶ月後に、こちらのキービジュアルが完成します。
この1枚の画像は、とても大切なものでした。世界観を感覚的に届けるアイキャッチ。
半年かけて言語化した世界観のコンセプトを表現し、同業から彼女の展開するサービスを差別化するためのものです。
ヨガとひと口にいっても様々なスタイルがあります。うっかりすると、皆んなひとくくりにされてしまう。世の中との最初の接点であるビジュアルで、自分らしさを伝えられているかどうかは、重要なことなのです。
“海で、きゃっきゃと遊ぶイメージじゃないんです。ただ、ゆっくり沈んで自分に集中して、1時間経ったら戻ってくる。ほんの束の間、「こうでなきゃ」を手放す。そういう時間を、提供しています。”
最初はモヤっとしていた自分のヨガスタイルとは?
世界観デザインの終盤の頃には、はっきりとご自身のなかで言葉にできるようになっていました。
|| 一枚の画像(え)を作るために。
私たちがやったこと
世界観デザイン個別プログラムは、自分の世界観を言語化し、ご自身で設計書としてアウトプットできるうようになるものです。
最初はふわっとしている自分の世界の輪郭が、だんだんとはっきりしてきます。
クライアントさんは、私と色々なやりとりをします。ざっくり書くとこんなことを。
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・こちらの指定したテーマでアウトプットをする
・アウトプットをもとに対話を重ねる(個人セッション)
・自己理解を深め、自分について言葉にする
・重要なキーワードを拾い上げる
・起業ストーリーを書く
・ひと言で言い切れる世界観コンセプトを明言化する
----------
世界観のコンセプト、ここまで出してもらってから、制作フェーズ(ロゴデザインやホームページ制作、写真撮影)に移ります。渡辺さんはもともと、撮影希望でお越しになったので、なおさら世界観の設計が大切でした。
なぜそんな面倒なことをするの?
と思われるかもしれませんが
デザインに限らず、写真だろうが動画だろうが、文章だろうがマーケティングでさえ、全てはここ(コンセプト)から始まるんです。
なぜなら、コンセプトがあってはじめて、明確な仕上がりイメージがもたらされるからです。
仕上がりイメージ、言い換えればゴールですね。
ゴールやものごとの判断基準をもたず曖昧にクリエイティブな企画をスタートさせてしまうと、成果物も曖昧なアウトプットになってしまいます。
見ためはなんとなく綺麗だけど、特に意味のない、底の浅いアウトプットに終わってしまう。そうなると、「次につなげる」という本来の目的が果たせません。
プロジェクトの大小に関わらず、目的の定まったちゃんとした企画に呼ばれると、渡される書類にはきちんとコンセプトが冒頭に明記されているものです。そのコンセプトを具現化させるために、各分野の専門家たちが各々のジャンルで知恵と経験を活用します。
簡単に例えるなら
世界観コンセプトを定めるということは、丸ごと一冊あなたのビジネスを紹介する本の、タイトルを決めるようなものなのもの。
逆に言うと、コンセプトなしで何かを制作・表現するってクリエイターにとっては「一体なにを?」なのです。
例えばあなたも、タイトルが決まっていない本の中ページに何か絵を描け、文章を寄稿しろって言われても...困りますよね?
今回の撮影も、やりとりが私(プロデューサーやコンサル)とだけではなく、私からカメラマンほか撮影スタッフや他のクリエイターに派生しますので、なおさらです。ゴールイメージを共有し、ズレなく統一されていることは必須なのです。
ゴールイメージを作るには、自分のなかに世界観がきちんと構築されていることが大切で。渡辺さんは、それを分かっていらっしゃったので、世界観をデザインするところから私を選んで下さったのでした。それを決断なさるまでも、とても悩まれたことと存じ上げています。
話が少しそれてしまいましたが、人に「次」の行動を喚起するような心を射つビジュアル表現のキモとは
本人の心がいてもたってもいられなくなるような
「きゅっ」となるポイントを見つけること。
渡辺さんは半年近くを費やして、そのポイントを見つけて言語化し
それを受け取った私が、ビジュアル化しました。
〜世界観デザイン個別プログラムのご感想〜
今まで素材を匂わせていたが、終了後、きちんと料理ができあがった感覚があります。名前のない料理にきちんと名前をつけて、存在価値がついたイメージです。描いた世界観を航海するために地図を広げて、それを求めている人に伝えていきたい。楽しめる人を巻き込んでいきたい。
ブランドカラーは、きっとブルーになるんだろうなと思っていましたが、グリーンが入るとは思いませんでした。自分に合っていて満足しています。
<プログラムを受けて、一番よかったことは?>
「どうせ作っても価値がない。素敵なものは作れない」と思っていた思い込みを壊したこと。それを表に出すことは別にして、ちゃんと自分が良いと納得できるものが作れる自信が出来ました。
<もしどなかに薦めるとしたら、どんな人ですか?>
やりたいことがあるけど、言葉にならなくて困っている人
1枚のビジュアルが
1行のコピーが
自分を変えてしまうことだってあるかもしれない。
そう聞いたなら、あなたはどう思うでしょうか。
(『私と彼女の7ヶ月その2 〜 一歩ずつ、ゆっくりと。〜』に続く)
『私と彼女の7ヶ月-3 表現する楽しさを思い出す』
『私と彼女の7ヶ月 番外編/撮影の裏話』
。。。。。。
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私が世界観づくりを始めた理由:
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