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1.続けるためには、自分の支えになるものが必要だった
2.売上のためになんでもやった結果...
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続けるためには、自分の支えになるものが必要だった
20年以上フリーランスで仕事をしてきています。
道中で、仕事を嫌いになっちゃうことが、何度かありました。好きな仕事をしているのにです。
締め切りに振り回されて、お金も自分が納得できるほどたくさんもらえるわけじゃなかったですし
デザインの外注スタッフなんて、いつだって「切れる」存在です。誰かからすごく大切に扱われる訳じゃない。(私の場合は、です。すごい肩書きや実績をお持ちの方や業界でも権威のような方だったら全く違うでしょう)
あからさまに「下」と見下してくる人達もいっぱいいましたよ。そういうのが、当たり前だって、今は思っていますが。
そういう前提で働くことにもう、慣れてはいるけど。それでも「なんで好きなことを、こんな思いしてやってるんだろう」そう思ってことはもう、本当に何度もありました。
そしてそういう時に共通するのは、何をやっていたか?というと
好きじゃないジャンルの仕事や、自分が得意じゃない環境下に身を置かなければならない仕事に手を出していました。私でいうと、クリエイティビィの低い、ただ書き起こす作業などです。コマ地図を大量にトレースしたり、延々とカタログ用の写真をスキャニングしたり。(コマ地図制作は、スキルを要する仕事なのでそれに特化した人もいるジャンルです)
環境下でいうと、深夜作業で家に帰れなかったり、昼夜逆転する睡眠時間が確保しずらい仕事。
デザインといっても、様々なジャンルがあります。私は「綺麗なもの」を作りたい、クリエイティビティの高いものを作りたい、夜は寝たい。(寝なくても平気な人って、いますよね)
その気持ちがものすごく強いのに、そこからズレた仕事をしていたんです。今はそれを、自分ではっきり分かっているので、そういう仕事は受けない。そう決めていますが、当時は自分が仕事を通して求めているのはなんなのか、そんなこと考えたこともありませんでした。
だから目先の売り上げに囚われていたし、来た仕事はなんでもやったんです。
売り上げがないのは怖いから。
売上げのためになんでもやった結果...
なんでもやった結果、その月の売り上げはそこそこ立てられたとしても、仕事で満たされることは少なくて… やればやるほど心が疲弊していきました。自分の命を削っているような時間だったんです。
だから、好きな仕事だからこそ、自分はこのジャンルを極めるんだとか、この道でやっていくんだという強い意思、自分の中のゆずれない軸みたいなものを持っているべきだと思っています。
専門性を決めて、それ以外は受けないくらいの強い意思を持ってるべき。
なぜかというと
自分の心の取り扱いには注意が必要だからです。
これは自分に限った話ではなくて。
私たちの心が不安定だと、身近な人たち、家族など大切な人にシワ寄せが行きます。一見なんの関係もないように見える子供の問題などは、実は自分の精神状態とつながっていたりします。
私たちは、周りの人たちのためにも、自分をちゃんと幸せにする責任があるんです。自分を幸せにとは、なにかを外側から持ってくるのではなくて。自分が自分を好きで、自分に言動に納得している状態のことです。
せっかく好きな仕事についたのです。
好きな仕事を選んだ自分を、好きでいたいじゃないですか?
自分をないがしろにしていると、自分も仕事も嫌いになっちゃいます。仕事を続けていくことが、苦しくなっちゃうんです。そしてそれが巡り巡って、家庭の問題となって現れるかもしれないのです。
もちろん売り上げは絶対に大事ですよ。だけど
今よりも幸せになりたくて、好きな仕事をしていこうと決めたんですよね?
話を私のことに戻しますと
グラフィックデザインて言ったって、色んなジャンルがあります。なんでもできる。なんでもこなせば翌月の売り上げは入ります。でもコマ地図の制作や問題集のレイアウトをしていても、私は幸せを感じられなかった…。
この経験を通しての、私の思いは、もしフリーランスなどの個人事業をやっていくんだったら。自分の譲れないもの、大切な価値観、やっていくことの意味・意義を早い段階で持っているべきだと。私がすごく遠回りをしたし、自分への不満をぶつけて家族を傷つけた経験があるから、そう思っています。
早いうちに自分の特化するもの・ジャンルを決める。
早く決めればその分早く始められる。キャリアも積めて、実力がつく。
その結果として。
単価も上げることができるんです。
個人で仕事をしていくのなら、スキルがあるのは当然です。メンタルも含めた実力と、強さを身につけなければ、遅かれ早かれ淘汰されます。
実力がないのに、あるように見せかけるのは意味がありません。なんもないことに単価をあげていくなんて、そんな夢みたいな話は、ないんですよ。どんなによく見せたって、バレちゃいます。
早く実力をつけること。それには実践。数多くこなすことです。そしてそのために、早く、見つけることです。自分の情熱を一点に集中できるなにかを。
私は、迷っている時間が長かったです。時代に合わせてweb制作をできるようになろうとしたこともありました。でもどうにもこうにも、適正がなかった。今は、私は紙専門でいくんだと決めています。それ以外の分野は、他のクリエイターの力を借りて、ディレクションに特化しようと。
デザインについても、世界観づくりをした人や、しっかり自分と扱う商品について分かっている人へ、アイデンティティの表現としてのデザインを提供していこう。やっとそう決めることができました。
なかなかそこまで、振り切ることはできなかったです。
振り切ったら、とても楽になりました。
(続く)
私が世界観づくりを始めた理由:エピソードゼロ
私が世界観づくりを始めた理由:1
私が世界観づくりを始めた理由:2(前)
私が世界観づくりを始めた理由:2(後)
私が世界観づくりを始めた理由:3
私が世界観づくりを始めた理由:5(終)
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