こんばんは。
世界観コンセプトナビゲーターの遠藤朝恵です。
ひさびさにブログを書きます。
1月30日(土)、私のオリジナル作品「WAKA」の、オンラインワークショップでした。
今回で4回目になります。
〜WAKAオンラインワークショップとは〜
遠藤朝恵のオリジナル作品WAKAの、グラフィック版「100designs」を題材にした、『言葉とアートをつないで遊ぶ時間』です。クイズ形式で和歌の背景とデザインの意図を探り当てていただいたり、デザイン体験をしていただきます。
過去のワークショップの様子はこちら
結論から言って、今回は今まででいちばんの出来!大成功!でした。なにをもって成功というのか?は人によって違うと思いますが
クローズする際に「ご質問がある方は、この後30分は開けていますのでどうぞ。」とアナウンスしたんですね。そうしたら、ご参加の皆様全員が、残って下さったんです。
ありがたいこと。
自分が企画したコンテンツに、それぞれに貴重な時間を共有して頂けたこと。本当に嬉しかったです。今回は特に、内容を大改革したし時間を延ばしたので、うまくいくか全然ダメか?のどちらかかなって思っていました。
皆さんに楽しんで頂けたんだなという感触が得られて、とっても嬉しかったです。
今日は、当日の様子をレポします。
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1.ワークショップレポ
2.ワークショップで私たちが得たもの
3.ワークショップで一番伝えたかったこと
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1.ワークショップレポ
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今回のワークショップは、こんな流れで行いました。
〜ワークショップの流れ〜
(全2.5h)
- 自己紹介
- 作品概要の説明
- 絵合わせ・歌合わせ
- 「ことばにまつわるお話」
- デザイン体験
- デザインラフのシェア
- くじ引き
●自己紹介
自己紹介は、皆さんのお仕事やこのワークショップにご参加になったきっかけなどをお話頂きました。これまで、私の知り合いが多かったのですが今回は、司会の大場さんのご紹介からも複数のご参加がありました。
男性5名、女性3名。男性が多めです。
私の作品では、めずらしいこと^^
●作品概要の説明
この作品の大まかなことと、実際にデザインした和歌を引き合い煮出して、私のデザインの意図をご説明しました。
●絵合わせ・歌合わせ
そして、さらに私のデザインの意図を探り、クイズ形式であてていただく「絵合わせ・歌合わせ」を楽しんだあとに
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●ことばにまつわるお話
和歌の翻訳を担当してくれた
島津共範さんによるミニコーナー。
(今回より新設しました)
さきほど絵合わせをした和歌をテーマに、翻訳のプロセスと英語、フランス語、スペイン語の3ヶ国語の音読を聞いていただきます。
外国語は、音で聞いて初めて「美しい」と感じますね。
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●休憩
ここで10分の休憩をはさみます。
久しぶりにお会いする方や、初めてお会いする方と雑談しながら、皆さんにつながりが生まれるのも楽しい時間です。
●デザイン体験
今回の、メインコーナーです。
これまでは絵合わせ・歌合わせに重きを置いていたのですが、前回のお客様アンケートをもとに、このデザイン体験をメインコーナーにしました。
私が無意識に行なってきたデザインプロセスを、明確かつできる限りシンプルにしたメソッドにして、皆さんに実際にラフデザインを描いて頂く...というものです。
「デザインなんてやったことない」
そういう方が多かったと思うのですが…
だからこそ。それがいいんです。デザインて、長い時間をかけてうんうん唸ればいいものができるかと言うと、そんなことでもなくて。
時間に迫られて仕方なく出す。出すしかなかった。
だから良いものができる、そんな可能性もあります。
1ステップずつナビゲートして、全部で5ステップ。
デザインの要素をメモ書きしていただき、早速デザインラフを描いていただきました。
けっこう皆さん、サクサクと進められていました。
そしていよいよお楽しみ!
私たち主催がいちばん楽しみな、デザインシェアの時間。
皆さんどれも個性的で、
「その人らしさ」が溢れていました。
デザインや絵って、その人の本質が、
字と同じで出ちゃうんですよね。
隠せないんです。
「えー意外!」とか「そうきたか!」というデザイン続出。
同じ歌でも、人それぞれの解釈が違って、
ぜんぜん違う絵柄が出てきました。
皆さん、思い思いのデザインの意図を語っていただく。
もっとデザインの時間が欲しかった、というくらい、
入り込んで下さった方もいらっしゃいました。
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●くじ引き
全員のラフデザインのシェアが終わったところで、サプライズ。
くじ引きの時間です。
絵札を利用したくじを引いて頂き、
当選した1名様のラフデザインを、私がスマホの壁紙にデザイン起こしして差し上げます。(ご希望の方全員へプレゼント♩)
今回当選なさったのは、こちらのデザインを描かれた方です。
おめでとうございます!
デザイン起こしまで、ちょっとお時間いただきますね。
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●ご挨拶
そして、ご感想を一言ずついただいたのち、クローズ。
クローズ後の30分は、デザイン体験のお題にした和歌の私のデザイン図案や、島津さんの翻訳プロセスについてご質問いただいたり、今後のワークショップの進め方へのご意見をお聞きしたりしました。
総3時間のワークショップはこうして幕を閉じました。長時間をご一緒くださった皆様へ、あらためて感謝申し上げます。
ほんとうにありがとうございました。
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2.ワークショップで
私たちが得たもの
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今回はこれまでよりもデザイン体験に踏み込んでのご提案だったのですが、これまで「なんとなく」やっていたデザインをプロセスに分解してフレームワークにする、という試みをしました。これは私にとって大きな意味があります。
今まで「説明するのは、無理だ」と感じてきたこと
私の頭のなかで無意識にやってきたことを、他人様に説明できるカタチにできたからです。
あなたにもありませんか?
人に伝えたいと思っているけど、自信もそれなりにあるけど、うまくアウトプットできなくてもどかしく思っていること。
カタチにできたら、すごくすっきりするのではないでしょうか。
今回、私はそれをカタチにできました。
それはもちろん、自分だけの力では到底できなくて。協力してくれる人たちあってのことです。
他人様の視点を入れてみたんです。それだけで、出来なかったことが出来るようになるんだなって…. 今回のワークショップで実感することができました。
なんでも、やってみればカタチにできるんだって、そう確信できました。
私の頭の中を、綿密で詳細なプロセスに分解してくれたのは、前回のワークショップから主催側で参加してくれている、翻訳担当でイラストレーターの島津共範さん。
デザインプロセスについてインタビューしてくれたのち、A用紙5枚くらいに、びっしり埋めたレポートを送ってくれました。ほんとうに、すごい分析力!です。
(別件でもインタビューしてくれいています)
なぜ世界観づくりをしようと思ったか?3つの理由
私と島津さんの関わりについては、こちらをどうぞ。
◎なつかしい未来へ。遠藤朝恵さんとの出会いと和歌翻訳の始まり
◎希望の朝の迎え方(無口な少年が百人一首の翻訳プロセスを語るようになるまで)
このフレームワークを手のひらに乗せて、これからもこのワークショップを育てて行きたいです。
“これはデザインの民主化ですね”
フレームワーク化に協力してくれた島津さんは、そう表現してくれました。
デザイン・デモクラシー。
全5ステップに要約したデザインフレームワーク。ひとつのプロセスには、わかりやすく3つ程度の選択肢を提示して、それを選んで頂くことで、皆さんのデザインラフが仕上がりました。
これはとっても画期的なことで… だって、どなたでもこのステップを踏めば、和歌をデザインすることができるんですから。
実際その通り、ご参加の皆さん全員が、ラフデザインを描くことができました。
貴重なツールを手にすることができたと、思っています。想定通りです。
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3.ワークショップで
一番伝えたかったこと
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デザイン(自分の頭の中)を人に見せるって、恥ずかしいですよね?
デザインを人に見せるって、恥ずかしいですよね。
自信が全然ない、練習したこともない、専門外の分野で、とかそういうことを抜かしても。
私はデザイナーですけど同じように、恥ずかしかったです。いちばん最初に自分の作品を出すとき。こんな作品を作りましたって、世に提示したとき。
恥ずかしいじゃきかない…
命綱ひとつで、ビルの屋上から飛び降りる
と思えるくらいの、恐怖感がありました。
それはなぜか?
アートって、自分の内面をさらけ出すことだからです。
嘘ついたり
自分をとりつくろう余裕がないんです。
だから、その人の「純度」が色濃く、出ます。
本当の自分が、出ます。否応無く。怖かったです。
誰かに咎められたらどうしようって思っていました。
だからこそ
飾っていない本当の自分の一片を、知らない人にシェアする。
その「恥ずかしくて」「心もとない」体験こそ、私が皆さんに提供したかった時間かもしれない。
そんな風に思っています。
なぜかというと
自分の考え、スタンスを
誰の応援がなくても、言い切れること
それが、すごくすごく大切だからです。
「自分」でなにかやっていきたいなら尚さら。
自分はどう思っているのか?
言い切れますか。
批判されるかもしれない
誰かを不快にさせるかもしれない
人が離れていくかもしれない
そういう不安も全部ひっくるめて
抱えたうえで
これが私の解釈ですって
言い切れるかどうか。
それができたとき、変わっていきます。
自分も、周りも。
「こうなりたい」に近づいていきます。
私は、そのような体験を何度か踏むことによってこのワークショップまでたどり着き、育てることができました。(まだまだですけど)
批判されるかもしれない
誰かを不快にさせるかもしれない
人が離れていくかもしれない
そういう思いを幾度か経て、今があります。
こうやって、価値観を共有できる人たちと、かけがいのない、楽しい時間を過ごすことができています。
デザイン体験は、自分の考えを言い切る練習?みたいなものですね。
フレームワークを手にすることができた。
それはとても大きな事です。
でも、ほんとうは…
本当はね。
フレームワークに反映されていないものの方が大切かもしれないって思うんです。
フレームワークを設計する工程のなかで、「なかったことにした」無数の選択肢があります。言葉にできるものも、出来ないものも。
実はその、手の平からこばれたもの達ほど、大切で尊いものはない、って思っています。
ぐちゃぐちゃで混沌とした思考の中から、自分にとっての正解を「これだ!」って見つけ出す。時間がかかっても。
それこそがデザインや、表現することの最大の楽しみだと思うんです。
わかりやすく決着がつけられないからこそ…。面白くて、大事なものがつまってるんですよね。
なにかを作り出している人なら、お分かり頂けるのではないでしょうか?
『フレームワークを作り出す』
それはとても意味あるものだし、大切なことです。
この先に伝えたいものを、わかりやすく伝えるために、大切なものも削ぎ落としていく。それによって、「言葉をアートに」という世界に触れてもらい、面白いなって思っていただく。
もしそれが叶うのだとしたら、こんな嬉しいことはないな。
デザインのフレームワークを作りながら、そんなことを考えていました。
今回のデザイン体験のお題の和歌
「君がため 春の野に出でて若菜つむ
わが衣手に雪は振りつつ」
のデザインを使ったポスト(木材)
矛盾してるように思われたでしょうか。
わかりにくいかもしれないけど、本心を書きました。
ワークショップやコミュニテイのデザインなど
大きなテーマについても、同じことが言えますよね。今後ディスカッションしていけたらいいなと思っています。
改めまして
皆さま、ご参加下さり、本当にありがとうございました!
またお目にかかるのを楽しみにしています。
アコちゃん
島津さん
ワークショップができるのは、お二人のおかげです。
貴重なお休みを割いて下さり、
いつもありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
次回のワークショップは5月23日(日)です。
初参加のあなたのご参加も、お待ちしています!
言葉を、アートに。
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