『私が世界観づくりを始めた理由』
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1.そもそものきっかけ。ブランディングを勉強した経緯
2.仕事のスタイルを変えるにはお客様を変えなければいけなかった
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そもそものきっかけ。
ブランディングを勉強した経緯
「ブランディング」という言葉を知ったのは、2010、2011年あたりだったと思います。
娘達の子育てに追われていたまっ最中。3歳と1歳とか、それくらいの時です。たまたま知り合いから紹介された仕事が、ある旅館のリブランディングのプロジェクトで、その一端を担当させて頂きました。グラフィックではなく、衣類のデザインとディレクションの案件でした。
渡された資料を見た時に衝撃が走りました。そこには事業の根拠や背景、大切にしていくことやコンセプトなど、デザインだけでなくアウトプットに必要な「判断軸」が全て詰まっていたんです。
こういう風に、こんなことを決めていくものなんだ!
定めたものがきちんとあって、これを起点にデザインするなら、迷わない!ズレない!デザイン全てに根拠が生まれる! ほんとうに良いデザインをするには、ここから関わらなきゃダメだ!
そう感じて、ブランディングの初級講座を受けました。
子供達がまだ小さく、自分のお金だとはいえまとまった金額を自分に使う抵抗感は半端ないものでしたが、受けることができました。その上の講座を受講することは叶わなかったので学びを深めることはできなかったけど、その受講がきっかけで人脈が広がり、仕事にもプライベートでも、さまざまな知識の恩恵を受けました。そこでお知り合いになった方達は当時の私からすると雲の上の人達で、、、
講師も受講した同期の方達も、ほとんどが男性でベテランの経営者さん達。
かたや私は子育てに追われてる主婦デザイナーです。ふけば飛ぶような。代わりがいっぱいいるような。マーケティングの言葉など何も知らないし、携わったこともない。どう見ても、場違いでした。(自分ではそう感じていました)
ふと袖口をみるとごはん粒がくっついてたり、慌てて履いた靴下がかたちんばな私は、とっても肩身が狭く居心地が悪かったけど、「この居心地の悪さに身を置こう」そう思っていました。
自分を、なんとかしたかったんです。
デザインの仕事を続けたかったし、単価を上げたかった。
出産前は、法人のレギュラー仕事があったので営業なんかなんにもしなくても、毎月お仕事がありました。でも、それらの仕事は締め切りありきで、先方の都合に合わせて朝でも深夜でも動かなければいけないので、(22時に居酒屋で打ち合わせして、翌朝5時までに見開きのデザインを仕上げる、などはザラ)小さな子供を抱えながら続けることはできなかったのです。仕事はほぼゼロになりました。
でも、なぜだか
やめるという選択肢はありませんでした。
仕事のスタイルを変えるにはお客様を変えなければいけなかった
仕事のスタイルを変えるには、お客様を変えなければいけなかったのです。それまでの時間に追われながら「数」をこなすことは、もうできない。仕事を続けるために仕事のスタイルを、変えようと思いました。
いちばんは納期の融通がきくこと。余裕があってこちらの希望が通る仕事。今までのように沢山を早く作るのではなく、少ない数で丁寧に作れる仕事。そして単価を上げたい、と。
そのためには?
仕事のスタイルを変えるにはお客様を変えなければいけなかったし、「あなたにお願いします」と言われなければならなかったのです。
選ばれる人になろうって思いました。
デザイナーなんて、石を投げれば当たるくらい、います。私よりうまい人なんて、星の数ほど。みんな私よりずっと若くて体力があって、こなすのも早い。センスもいい。
スキルではなく「私自身」で選ばれなければ、いずれ打ち止め。
自分に、選ばれることなんかできるのか?デザインの受賞歴があるわけでもなく、学歴・職歴など華やかな背景も、実績もない。
あるとしたら、
人見知りしないことと
紙が好きなこと
布も多少扱えること
それくらい。
本気で自分について考え始めたのが、一番最初の、(自分の)世界観づくりのきっかけです。
この時は、まだなんにも、自分の強みもわかっていなかったし、ブランディングについては定めることができていませんでした。
(続く)
私が世界観づくりを始めた理由:エピソードゼロ
私が世界観づくりを始めた理由:2(前)
私が世界観づくりを始めた理由:2(後)
私が世界観づくりを始めた理由:3
私が世界観づくりを始めた理由:4
私が世界観づくりを始めた理由:5(終)
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