紫陽花の綺麗な季節になりましたね。
ピンク・ブルー・白と、色目の薄いものから濃いのまで色とりどりで目を楽しませてくれますが、どの色がお好みですか?
紫陽花というと、浮かんでくる子供のころの記憶があります。
家の庭にも、紫陽花の木が植えられていたのですが、毎年パープルっぽいピンクなのにある年にだけ、水色が咲いたんです。
そんなこと、あるんですかね?私の記憶違いでしょうか。
でも…ほかの花でも同じようなことがあったことを、覚えていまして。
薔薇です。
私が子供だったころ、庭には沢山の植物が植えられていたのですが、とりわけ多かったのが薔薇です。父が、薔薇の愛好家でした。昭和世代の方は、ご近所に1人、いませんでしたか?「薔薇のおじさん」。それだったんです。
私の育った家は今はもうないのですが、庭にいろいろ植えられていました。
けやきの木、夏ミカン、枇杷、梅、日本水仙。いちご、ゆすら梅。沈丁花に椿。藤。マスカット。
初めて書き出しました、ずいぶん色々ですね。笑
もともとは父の趣味が庭いじりで、そこに母が気まぐれで色々植えたのだと思います。(枇杷の木は絶対にそうです。「もぐさ」というお灸に必要でした。すごい勢いで大きくなって、その後がかなり大変でした。)
何十種類と、薔薇の苗が植えられていました。薔薇のアーチも、庭にありました。
薔薇も種類によって、名前をもっています。私はほんのいくつかしか覚えていないのですが
記憶に強烈に残っているのがあるんです。
“モダンタイムス”
鮮やかなピンクに、白の不規則な絞りが縦に入った品種です。
子供の頃に身近にあったから、普通に思えてしまいますが、今思えば珍しいです。どこかで見かけたことが、ないのです。バラ園に行けばあるのかもしれないんだけど。
Modern Timesという音も、私を今も惹きつけてるのだと思います。特別な感情を運んでくる薔薇です。写真を見ただけで、様々な印象が蘇ります。
で…。
このモダンタイムスも、ある時、咲き方が違ったんですね。濃いピンク地に白の絞り柄が入る品種なのですが。
ある年、柄が入りませんでした。ただのピンクに、咲いたんです。
…そんなこと、あるの?!
そんな衝撃を感じました。なんだか、肩すかしをくらわされたような…。
その後も、数年に1回、無地に咲くことがありました。
紫陽花とモダンタイムス
複数の花で通年と花の色が違う、そういう体験をした(記憶にある)私は、自分なりの仮説を立てました。その頃から雑草を見ていても思うのですが
『土の養分が、関係しているのじゃないかな』
父も祖母も薔薇が大好きで、育てていました。でも私自身は園芸をたしなんだことはなく、見ていただけです。ただ雑草を摘んで遊んでいただけの子供ですので、専門知識はありません。そんな元・子供が立てる精いっぱいの仮説なので聞き捨てていただいて構わないのですが
土の状態によって、咲き方が変わる
これは、ひとつの真理じゃないかと、思っています。
酸性とかアルカリ性とか分からないですけど…専門知識がない私たちでも、「天候や気温、そのほかの微生物で土の成分が変わるんだろうな」と、なんとなく想像できますよね?
土にも色々な管理の仕方があるのだと思います。
化学肥料を入れて人工的に豊かにしたり…、時間をかけて、命の積み重なりを再現させたり。その土によって、咲き方が変わるのじゃないかと。
不思議ですね。
でも
咲き方が変わっても、紫陽花は紫陽花だし
薔薇は薔薇でした。
私たちも同じことが言えるのかもしれない、なんて
紫陽花の季節に雨音を聞くと、そんなことを考えます。
植物と同じように、私たちは自分と違うものにはなれないのです。どんな土に根を植え、どんな花を咲かせるのか?
雨が降ったり晴れが続いたりと、天候はコントロールできないけど。土は環境。そもそもの環境は、自分で選んで整えることが、できますね。
ちゃんと自分で選んで仕込めたら、いいですね。
最近の友人、知人たちとの会話からそんなことを思っています。
紫陽花が水色に咲いた、その当時の私は10歳くらい。こんな俳句を詠みました。
“ 紫陽花や 今年は青に 染まりけり”
幼稚園生のとき、父から俳句を習っていたのです。これは、やっと合格をもらえた一作でした。
紫陽花が“染まる”って擬人化されてるのが良いって、褒めてもらって嬉しかったです。
私たちそれぞれに、自分にぴったりの「土」があるはず。
それを選んで、綺麗な花を咲かせたいですね。
しばらく雨が続きそうです。