世界観コンセプトナビゲーターの遠藤朝恵です。
今週はセッションが重なっています。
クライアント様とお話ししていて、強みの話になるんですよね。大切に思うところを、書きますね。
『私は何も持ってない』?
フリーランスになったけど強みを
見つけられない人への処方箋
セッションでは、ターゲット像をより明確にしたり、競合との差別化ポイントを探って頂いたりするのですが
皆さん ご自身の強みって、
すぐに出ますでしょうか?
ひとつふたつみっつ…..10個くらい出る方もいるし、ぜんぜん出ないっていう方も、いらっしゃいますよね。
たくさん書き出してはみたものの、どれも他のひとも持っていそうなことだし、肝心の差別化ポイントがなかなか見つけられない….という方は多いのではないでしょうか。
私がそうだったんですけど。
今日は、「強み」の見つけ方についての視点を、お伝えしますね。
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私は、デザイナーを22年やっていて、
フリーランス歴は20年になりました。
つい先日、知り合いに聞かれたんですよ。
「どうやったら20年も
フリーランスを続けられるんですか?」
きょとんとしてしまいました。
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私にとって、フリーランス歴20年というのは、ウリでもなんでもなく、コンプレックスのひとつだったからです。
“フリーランスのデザイナー”
これは、会社勤めの短い私にとっては、
売れてない「自称ミュージシャン」と同義語です。
社会不適合な人
会社勤めができない、稼げない人
決められた“基準”を遵守できない人
そんな風にずーーーーーーっと、
自分のことを恥じてきました。
意外ですか?
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本当のことを言います。
私は、ずっと会社員になりたかったです。
今だって、そうです。
だって、毎月同じ日にちにお給料が入り、夏と冬にはボーナスが出て、お休みだけどお給料をもらえる制度もあるんですよね?
行けばお金が、もらえるんですよね?
ほんとうに、心の底から羨ましいと
思っています。
なんでずっとフリーランスをやってるのか。
そんなの、簡単です。
ほかに道がなかったからです。
30歳間際でデザイナー職なんて、
どこも取らないだろう
そう思って諦めてしまいました。
私は25歳で、異業種から印刷物制作のデザイナーに転職しています。デザイン事務所で下積みをしたわけでもなく、なんにも知らなくて、大変でしたよ。
おそらく私より、周りのひとが。
だって業界のルーティンやお決まり事項をなにも知らないヤツが、デザイナー職で入ってくるんです。教えてくれる人は、いませんでした。
デザイナーの仕事はデザインをするだけではありません。実際に納品できてはじめて、お仕事として成り立ちますが、デザインを「画面上で見る」だけのデータと、実際に「印刷物にする」データは、根本が違うんです。
それを、私は知りませんでした。
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なので、しょっちゅうミスをしては営業さんに怒られ、印刷会社のデザイナーさんに謝り、製版(今はあまり無い工程ですが)会社の方に謝り… 結果的に経費が増すわけです。
会社にとっては損失です。
毎日、誰かに頭を下げていました。
そこで培われた私のセルフイメージであり、信念ともいえるものはこうです。
『世の中の全ての人は、私より優れている』
全ての人は私より優れている
そう信じている私は20年何をやってきたと思われるでしょうか?
“今やらせてもらえることに
全力で取り組むしかない”
でした。
そういう想いで、
頂いた案件に向き合ってきました。
私は美大も美術系の専門学校も出ていません。
コネも、すごい実績もありません。
でも…
なにも持っていない、
それは私の大切な強みに
なるんだなって
つい最近気付いたんです。
だって
何も持ってないなら、
なんでもできるじゃないですか?
振り返ると、この20年。
産前産後をのぞいて、ぷっつりと仕事が途切れたことは、ありませんでした。
売り上げが少ないことはあっても長い間途切れたことは、なかったんですね。どなたかが、私にお仕事を依頼して下さっています。
それはなぜだと思われるでしょうか。
私のデザインが格別に素晴らしいなんてことはなくて...見ればわかりますよね。商業デザインは、どっちかというと苦手なんです。すごい人って、たくさんいます。
なぜ私が、20年間途切れずにお仕事を頂けているかというと
私はなにも知らない
だから、教えてください
一生懸命やります
その姿勢を前面に出してきたからかなって思うんですよね。
いまあなたが もしも
ずっと会社員しかやってこなかった
上司に言われたことをこなしているだけだった
自分で新しい企画をつくるのがこわい
= なにも事業をしてきた実績がない
それをコンプレックスに思われているとしたら、声を大にして言いますね。
なにも持ってない、それは強みです。
何も持っていない私たちは、
なんにだってなれます。
だって
生活や家族のことまで考えてあげないといけない
社員もいなければ、
固定費を払わなきゃならない
オフィスもないんです。
守らなければいけないメンツがない、
ということは
失敗したところで、誰にも迷惑かけないし
そもそも失敗したことすら、
誰も気に留めませんよ。
もし、気にしてる人がいるとしたら
たぶん… あなただけです!
それこそが私たちの「強み」なのだと、
気づいて下さい。
こんな気楽なこと、ないですよ。
自分の意志ひとつで、
どうにだってできるんだから。
そして、なによりも
“通例”にとらわれない、
自由な発想ができること。
知らないからこそ、できる。
この20年で私が得ている確信です。
どういうことかと言えば
もし美大に通っていたら、才能あふれる人に囲まれ、きっと私は萎縮して、デザインをやめてたかもしれないです。
それとか
一流のデザイン会社に勤めていたら、先生や先輩、権威あるひとに「OKをもらうためのデザイン」をしていたと思います。
自分の個展をするなんて、今よりもっともっと怖くて、絶対にやれなかったと思うんですね....。
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強みが見つからない、という方へ。
ぜひ、あなたが隠したいと思っていること
恥ずかしいと感じること。
そこにフォーカスしてみてください。
それらがあなたの最大の強み、魅力を教えてくれます。私の作品づくりでも同じことが言えました。だからこの場をお借りして、あなたにお伝えしています。
あなたがコンプレックスに感じていること
それって実は ギフトなんだと
気付いて欲しいのです。
そして
ご自身の心からのメッセージを
思い切り発信すること
いつも、ここから応援していますね…!
この日のクライアント様は私がフリーランスをやっている以上に長い間、会社員をなさっている現役の秘書さんです。
・それを強みとして商品名に盛り込むこと
・ターゲットに合わせて、
ラグジュアリーなネーミングにして下さい
その2点をお伝えしました。
以下、ご感想です。
朝恵さんとの対話から、自分が“弱み”だと思っていたものや、“強み”ではないと思っていたものが「実は強み」だったりと、たくさん引き出してもらって、サービスのリリースに向けて大きく前進した!という手ごたえを感じられました。
H様 40代女性
朝恵さんの豊かな経験から、自分の引き出しにはない表現や視点をいただいて、提供するサービスがより価値のあるものにブラッシュアップされていく感覚がとても心地よかったです。
ブランド名についての提案、とてもうれしかったです。自分が認識している「私はこういう人」と、第三者の視点での「こういう人」にはかなりのGAPがあり、なかなか言葉がうまく紡ぎだせないジレンマがありました。
様々なプロダクトのデザインを行ってきた経験からのアドバイスはとても説得力があるし、自分がどう見えているか、というフィードバックをもらうと単純にうれしいのに加えて、プロに手掛けてもらっていることが、自分が提供するサービスへの自信と愛着につながります。
どんどん提案して欲しいです!
クライアント様と対話する時間は
なによりも楽しくて、
自分が満たされています。
いつもありがとうざいます。
そして....
今これを読んでいらっしゃる、あなたのお話も
いつか聞かせてください。
お待ちしていますね。