お金が安くても好きな仕事をするのか、収入が良くて好きじゃない仕事をするのか。
結婚にも例えられるくらい、普遍的なテーマとも言えますね。
これを読んでいるあなたは、今の会社をやめて好きな仕事に転職または独立しようか迷っている・または独立したはいいけど思うほど収入いは結びつかなくて会社員に戻ろうかと迷っている
そんな状態にいる方かもしれませんね。
気づけばフリーランスになって21年が経ちました。
好きな仕事か、お金か?というテーマで考えてみます。
好きな仕事か、お金か。
フリーランス20年やった今、思うこと
私はグラフィックデザイナーとして独立して、今はデザインの前のデザイン、ビジネスコンセプトの設計や世界観づくりのコンサルティングを提供しています。
(もっとも、20年前に「独立」なんて大層な意識は全然なくて、なんの知識もなく会社辞めちゃっただけでした。だから開業年月日なんて覚えてなくて、あとづけです。)
好きな仕事をしていつも幸せそう。
きっと周りからはそう見られていると思います。
事実、わりと幸せだと思います。今は。
今は。と書いたのは…
好きな仕事をしているのに、苦しかった時期が長いから。今、わりと幸せだと思えるのは、いい意味で割り切ることも覚えたからです。
- 1.好きな仕事でもいろいろある。あなたがやりたい事ってなんですか?
- 2.好きな仕事を続けるためには 生活の安定が必要
- 3.生活するため(お金を稼ぐため)の仕事、 好きな仕事。両方持ったらいい。
- 4.「好きだから無料で提供する」は やっちゃダメ。
- 5.大切なのは長い目で見た 人生設計と広い視野
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好きな仕事でもいろいろある。あなたがやりたい事ってなんですか?
同じ職種でも、好きな仕事とそうではない仕事があります。例えばデザイナーって言ったら、
洋服のデザイナーか、新聞広告のデザイナーかで全く違う仕事と言えますが、さらに言えばファッションデザイナーだって、普段着とドレスでは、仕事の進め方も関わる人も全く違うでしょう。
私はグラフィックデザイナーですが、一見、華やかそうに聞こえますよね?
ところが、クリエイターあるあるで。この職種もひと括りに出来いないほど色々あります。華やかさとは皆無のところからスタートしました。
新聞の折り込みチラシの制作をする会社から始まり、フリーになってからは来た仕事はなんでも受けてきました。文字通りなんでもです。中には、好きだとは思えない仕事もありました。
理由は、まずはお金が先だから。実績をつけて収入を安定させたかったからです。
好きな仕事を続けるためには生活の安定が必要
好きな仕事を楽しめるって、心に余裕があってのことです。その心の余裕を支えるものとは。ズバリ生活の安定。お金が必要です。
実際、どんなに好きな仕事でも、月収2万とかでは生活できないですよね?厳しいことを言うようですが、好きな仕事で生きていくって、楽しいことばかりではありません。
好きなことを楽しく続けるために、皆んな見えないところで必死に頑張っているんです。水鳥が水面で水を掻くように。
私は異業種から転職してグラフィックデザイナーになりました。
デザインがすごく好きなんです。でも、独立してから受けた出向案件で、やってもやっても終わらなくて家に帰れなかったことがありました。これはお金はそこそこ入ったけど、精神的なダメージが大きくて楽しむどころじゃありませんでした。
ほかにも安く使われる時期が長かったときは、好きで始めた仕事だけど嫌いになったこともあります。
好きな事って、楽しくやるからずっと好きでいられるんですよね。
好きな事を仕事にしたいなら。
まずは自分に『安心して好きな仕事に打ち込める環境』を用意してあげることではないでしょうか。
具体的には
・会社に勤めながら(勤務条件や給与待遇は大切。お勤めで疲弊しないことが大前提)副業で始めて、その収入が給料を上回ったら独立する
・2年は働かなくてもいいくらいの貯金をする
・資産をつくる
・旦那様を素直に頼ってみる(共働きでなくても生活できるなら)
などです。
生活費を稼ぐのは旦那様にまかせて、自分は家庭を回しながら好きな仕事をするのもいいと思いますよ。もしこれから結婚するなら、それを応援してくれる度量のある人、お互いの価値観を尊重できる人をパートナーに選べたらいいですね。
生活するため(お金を稼ぐため)の仕事、好きな仕事。両方持ったらいい。
好きなことを仕事にするためには、ある意味割り切りも必要です。好きなことを仕事にするために一方でお金を稼ぐための仕事をするというのは、全然矛盾していることではないです。
好きなことを仕事に!
とか、好きなこと以外を仕事にしているのは人生を損している、みたいな風潮が10年前くらいからありますけど… 「そんなこと全然ないのに」と思ったりしています。
お給料があるって、最高ですよ?
その恵まれた環境を大いに利用して、好きな事をとことんやったらいいのじゃないでしょうか。
例えば私もそうなのですが、アーティストってそれだけじゃ食べていけないから、他に生活を支えるためのお仕事を持っていますよね?たいていの場合、すごく好きじゃなくても待遇や働きやすさで「お金のための仕事」を選んでいるはずです。
私の場合は、お客様のためのページレイアウトがそうです。安心してセッションや作品づくりを楽しむために請けます。そして、家計は夫が支えてくれている。「これをやめたって誰も死なない」そういうスタンスだから、楽しむことができるんです。
会社員のご夫婦で、共働きで一気にお金を貯めて家を買って、さらに資産もつくり、40代手前でリタイヤして田舎で暮らしながら好きな仕事を楽しんでいる、という人たちもいますよね。
お金か仕事か。の二者択一ではなく、両方あればいいのじゃないでしょうか。
「好きな仕事」だけにとらわれず、収入の入り先は複数作るくらいの意識でいたほうがラクだし、複数あることで、心に余裕も生まれます。
なにがあるか分からない時代の今、気持ちを分散させたほうが結果、長く好きな事を続けられると思います。
「好きだから無料で提供する」はやっちゃダメ。
これは私もやった失敗ですが…
仕事を「好きだから」と、無料で提供するのはやめましょう。(ご感想をいただくための無料モニターなどは除きます。)
理由は、あなた自身がそれを続けているうちにお金をもらうことに抵抗が生まれてしまう恐れがあるからです。無料で始めて、有料にするのにはかなりの心理的負担が生まれるものです。、それにまわりから一度「無料でやってくれる人」というイメージを持たれたら、それを払拭するのにご自身が大変ですよ。
好きなことでも、ずっと収入がない状態が続けば辛くなってしまいます。人ってそういう生き物です。
なんのために好きなことを仕事にしたいのでしょうか?
好きなことを仕事にして稼ぎたいから。最終的には、そこですよね?
だったら、そのゴールに真っ直ぐに向かっていきましょう。
大切なのは長い目で見た
人生設計と広い視野
当たり前ですが人それぞれ、価値観が違います。
収入が低くても自分の思いを貫きたい人もいれば、好きな仕事でなくても高収入な仕事がいい、という人もいるでしょう。
私は、どっちもあったら良いな派です。
人生はイベント的に打ち上げて終わりではなく、長く続くんです。視野を広く持ちましょう。
お金を稼ぐことも、好きな仕事をすることも。目的はあなたが幸せであることですよね。いますぐ、どちらかに決めなくてもいいんです。来月のことではなく、3年後、10年後を考えて働き方をデザインしましょう。時間がかかってもいいじゃないですか。大切なことなんだから。
ただ今すぐできることとして、これはやっておいた方がいいということがあります。
自分にとって大切なものはなんなのか?
働き方や生き方の選択。
自分にとって大事なもの。譲れないものをきちんと定めていましょう。好きな仕事をしていく上でも、それはとっても大切です。
柔軟でしなやかな軸を作っていきたいですね。