バレンタインデーですね。
今日のお話は、本当はやりたいことがあるのに
考えて止めてしまうひとや
やり始めたけど、意味があるのだろうか…
と思ってしまう人へ書きます。
参考になるか分かりませんが
ほんの少し、勇気づけになれば。
。。。
以前、手作りのグリーティングカードを
シーズンごとに作っては
友人達に送っていました。
バレンタインに、ひと粒チョコを
埋め込んだカードとか。
娘たちが4歳と2歳のころでした。
半切(A1ぐらいの大きい紙)を1枚単位で
買ってきて、カッターで切り出すところから
作るんです。
設計書をミリ単位で書いて。
設計書を書けたのは、妊娠前にバック制作の
学校に通っていて、型紙の作り方を習ったから。
カッターや打ち具を使うのもあって
娘たちが寝静まってから、
何日もかけて作っていました。
すごく、工程数が多いんです。材料も。
いま見ると、『よくやったなぁ』って思います。
なにが私をそうさせていたんだろう?
“こんなことして、意味あるのかな”
いつも、そう思っていました。
心の片隅というよりは、真ん中あたりで。
これ、作ったからって、
なんにもならないんですよ。
むしろ、材料費がかかるだけ。
子育て中心で、自分の仕事なんて
ほとんどできていませんでした。
稼ぎもないのに、なにやってるんだろう。
そう思いながら、しんと冷えたリビングで、
ひとつひとつ作っていました。
あれから10年近くが経って
作品の精度も少しは上がって
私の作品を買って下さる方も僅かながら、
いらっしゃるようになりました。
自宅を離れた遠方で個展をやるようにもなっていますが
今だってやっぱり、同じようなことを思うんですよね。
私が好きなものを作ったからって、
世の中が良くなる訳じゃないし
作品作りに精出すよりも、
家族のために部屋を整えて
一品多くごはんを作るべきなんじゃない?
材料費より、娘たちの塾、
ひとコマ増やしたほうが建設的なんじゃない?
そんなこと、思いながらやってます。
大手をふって、作品制作に
まい進している訳では決してないです。
じゃあなんでやってるの?
そう聞かれたら、なんて答えるかな…。
ちょっと考えてみました。
おそらく答えは、こうです。
「子どもがおなか空かせていたら、
たくさん食べさせてあげたいって思う。
それと同じ」
大人になると
いろいろ分別がついて
効率よくとか、やる事全てに
「意味」を見出すようになりますよね。
でも
無意味なことに、
時間とお金を使ってもいいんじゃない?
理由なんかなくていい。
だって、やりたいんだもん。
このカードの他にも、たくさんたくさん、
いろんな印刷方式や素材を使って
自分の作品を作ってきました。
誰の意思も介入させない時間です。
その、ほとんどはなんにもなってないし
はっきり言って、無駄です。
でもね。
とても満足しています。
誰かにほめられたじゃからじゃなくて、
自分をお腹いっぱいにしてあげたことに。
すごく満足しています。
もしあなたが今
数千円のお茶会をくり返しているだけで
やりたいことをやってもお金にならない
ボランアティアみたいなセッションをしていて
好きなことを始めたつもりが不安でいっぱい
だとしても
自分自身に“おなかいっぱい食べさせてあげてる”
のだとしたら
罪悪感なんか感じないでいい。
先々の糧にも、ならなくたっていい。
もういらないって思うまで、
自分にやらせてあげたらいいです。
だって今までさんざん、
『先のことばっかり考えて』生きてきたんですよね?
…やったらいいですよ。
ぺしゃんこになるまで。
そしたら、その時にはじめて
手の中に持ってるものに気づくはずです。
おそらく
そういうあなたが出すエネルギーの方が、
我慢してあきらめながら生きてた時よりも、
数倍すこやかなはずです。
そしてそれは、あなたの大切な人たちにも
流れていきます。
幸いなことに
いろいろ無駄な時間を過ごしてきたおかげで
今、私は商品企画をするとき
サンプルひとつ作るのに
なにが必要でいくらかかるか
制作期間はどれくらいか
職人さんにお願いするポイントはなにか
自分でできる工程はないか
感覚的につかめるようになっています。
だから、業界が違っても専門業者の方は
私の話を聞いてくれます。
そして、体験したことを
人に伝えてあげることもできます。
いちばん良かったのは
「作品つくったらいいよ!」って
葛藤しながらも自分を
応援してあげられるようになったことです。
誰かから、じゃなくてね。
自由になれたこと。
昨日は、世界観コンセプト・メイキングの
個別セッションでした。
“なぜ、それをやりたいのか?”
という問いに対して、クライアント様のお答えが
「理由なんかない」なんですよ。
“プログラムにそう埋め込まれちゃっただけ。
自分を通して、大きなものがそうさせてる。”
というお答えをいただきました。
めちゃくちゃカッコいい。
やりたいから、やる。
シンプルでありたいですね。
あなたも「やりたいこと」をやるのに、
理由なんかいらないんですよ。
カード作品photo...安永ケンタウロス